第2回|不動産の評価で売却価格が変わる|帳簿価格と時価の落とし穴

第2回|不動産の評価で売却価格が変わる|帳簿価格と時価の落とし穴


M&Aで法人を売却する際、最も気になるのが 「いくらで売れるのか?」という点ではないでしょうか。

特に会社が不動産を保有している場合、 不動産の評価がそのまま企業価値に大きく影響します。

しかし実務の現場では、

  • 帳簿価格のまま話を進めてしまう
  • 実際の市場価格とズレている
  • 思ったより安く評価されてしまう

といった「評価の落とし穴」が非常に多く見られます。

今回は、 帳簿価格と時価の違いを中心に、 不動産評価がM&Aに与える影響を解説します。

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帳簿価格とは何か?

帳簿価格とは、会社の決算書に記載されている 会計上の不動産の価値のことです。

これは購入時の価格をもとに、 減価償却を行った後の残りの価値として計算されます。

例えば、

  • 20年前に5,000万円で購入した建物
  • 減価償却が進んで帳簿上は500万円

といったケースは珍しくありません。

つまり帳簿価格は、 現在の市場価値とは大きくズレている可能性があります。

時価とは?実際に売れる価格

一方で時価とは、 現在の市場で実際に売買される価格のことです。

不動産の場合、時価は以下の要素で決まります。

  • 立地
  • 周辺相場
  • 需要と供給
  • 建物の状態

例えば、

  • 都心部の土地 → 値上がりしている
  • 地方の物件 → 値下がりしている

といったように、同じ不動産でもエリアによって評価は大きく異なります。

そのため、 帳簿価格=時価ではないという点が非常に重要です。

含み益・含み損とは?

帳簿価格と時価の差から生まれるのが、 含み益・含み損です。

含み益のケース

  • 帳簿価格:1,000万円
  • 時価:3,000万円

この場合、差額の2,000万円が含み益となります。

含み損のケース

  • 帳簿価格:2,000万円
  • 時価:1,000万円

この場合は含み損が発生しています。

M&Aでは、この含み益・含み損が 企業価値の評価に大きく影響します。

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なぜ評価のズレが問題になるのか?

M&Aでは通常、 純資産+収益力をベースに企業価値が算定されます。

このとき不動産の評価がズレていると、

  • 本来より安く売ってしまう
  • 買主との価格交渉が長引く
  • 最悪の場合、破談になる

といったリスクがあります。

特に多いのが、 帳簿価格のまま評価してしまうケースです。

実際には高く売れる不動産でも、 帳簿価格で評価すると 企業価値を大きく下げてしまうことになります。

買主はどう見ているのか?

買主側は、不動産を非常にシビアに評価します。

主に以下の視点でチェックされます。

  • 市場価格との乖離
  • 将来の収益性(賃料)
  • 修繕リスク
  • 流動性(売りやすさ)

つまり、 帳簿ではなく「実際にいくらの価値があるか」を見ています。

そのため売主側も、 時価ベースでの評価を把握しておくことが必須です。

適正な不動産評価を行う方法

では、どうすれば適正な評価ができるのでしょうか。

主な方法は以下の通りです。

①不動産会社による査定

最も一般的なのが、不動産会社による査定です。

実際の取引事例をもとに、 売却可能な価格の目安を把握できます。

②不動産鑑定士による評価

より正確な評価を求める場合は、 不動産鑑定士による鑑定評価も有効です。

金融機関や大規模M&Aでは、 鑑定評価が求められるケースもあります。

③収益還元法の活用

賃貸不動産の場合は、 賃料収入から価値を算出する方法も重要です。

特に投資家が買主となる場合、 利回りベースでの評価が重視されます。

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まとめ

不動産を保有している法人のM&Aでは、 不動産の評価が売却価格を大きく左右します。

特に重要なのは、

  • 帳簿価格と時価は違う
  • 含み益・含み損を把握する
  • 時価ベースで企業価値を考える

という点です。

評価を誤ると、 数百万円〜数千万円単位で損をする可能性もあります。

だからこそ、 売却前に正しい不動産価値を把握することが重要です。

次回は、 「不動産は残す?売る?切り離す?」をテーマに、 戦略的な判断について解説します。

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