第3回|減価償却と節税の考え方

2026-03-11

その他

第3回|減価償却と節税の考え方

― 不動産オーナーが必ず理解すべき“最大の経費” ―


不動産の確定申告において、 最も節税効果が大きい項目が「減価償却」です。

第2回では必要経費の基本を解説しましたが、 今回はその中でも特に重要な 減価償却の仕組みと考え方 について詳しく解説します。


■ 減価償却とは?

建物は年数の経過とともに価値が減少すると考えられています。 その価値の減少分を、毎年経費として計上する仕組みが 減価償却です。

ポイントは、 実際にお金が出ていなくても経費にできる という点です。

これを理解することが、 不動産経営の収支を正しく見る第一歩になります。


■ なぜ一括で経費にできないのか?

例えば2,000万円の建物を購入した場合、 その年に全額を経費にできるとしたらどうなるでしょうか?

利益が大きく圧縮され、税金がほぼゼロになる可能性 があります。

しかし建物は長期間使用する資産です。 そのため、 法定耐用年数に応じて分割して経費計上する ルールになっています。


■ 法定耐用年数とは?

建物の構造ごとに耐用年数が定められています。

  • 木造:22年
  • 軽量鉄骨:19~27年
  • 鉄筋コンクリート(RC造):47年

例えば木造アパートであれば、 22年間にわたって毎年経費計上 していきます。


■ 減価償却の計算イメージ

例:木造アパート 建物価格1,100万円の場合

1,100万円 ÷ 22年 = 年間50万円(概算)

毎年約50万円を経費にできる計算になります。

現金支出はないのに、課税所得を下げられる これが減価償却の大きなメリットです。


■ 中古物件の場合はどうなる?

中古物件は、残りの耐用年数や簡便法によって計算します。

築年数が古い場合、 短期間で大きな減価償却を取れるケース もあります。

これが、 中古物件投資が節税に強いと言われる理由 の一つです。


■ 減価償却=節税、ではない?

ここで重要なのが考え方です。

減価償却は“税金の先送り”である という点です。

建物の帳簿価額は年々下がっていきます。 そして将来売却する際、 譲渡所得が大きくなる可能性 があります。

つまり、 今の節税と、将来の税金はセットで考える必要がある のです。


■ キャッシュフローとの違い

減価償却は会計上の経費です。

しかし、 実際のキャッシュフローとは別物 です。

例えば、

  • 家賃収入:100万円
  • 実際の支出:60万円
  • 減価償却:40万円

会計上の利益はゼロになりますが、 手元には40万円残っている 可能性があります。

この仕組みを理解することが、 不動産投資の本質です。


■ 節税目的だけで物件を買うのは危険

「減価償却で節税できる」と聞いて購入するケースがあります。

しかし、 収益性の低い物件を持つことは本末転倒 です。

重要なのは、

  • 物件の収益力
  • 立地の将来性
  • 売却出口戦略

減価償却はあくまで 経営をサポートする要素 に過ぎません。


減価償却終了後はどうなる?

耐用年数が終わると、 減価償却費はゼロ になります。

すると、 課税所得が一気に増える 可能性があります。

このタイミングで、

  • 建替え
  • 大規模修繕
  • 売却

などを検討するオーナーも少なくありません。


■ 不動産会社の視点|減価償却と出口戦略

減価償却は、 購入時から売却までの長期戦略 とセットで考えるべきです。

例えば、

  • 償却が大きい初期は節税重視
  • 償却が減る後半は売却準備

という戦略もあります。

確定申告は、 物件の“今後の方向性”を考える材料 でもあるのです。


■ まとめ

  • 減価償却は現金支出のない経費
  • 節税効果が非常に大きい
  • 将来の売却税金も考慮する必要がある
  • キャッシュフローとは別で考える

減価償却を理解できれば、 不動産経営の見え方は大きく変わります。

次回は 第4回|不動産を売却した場合の確定申告(譲渡所得) を解説します。

売却時の税金を知らずに動くのは非常に危険です。 ぜひ続けてご覧ください。

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