両親が認知症に…
信託にするメリット・デメリットを冷静に考える
「最近、親の物忘れが増えてきた」
「病院で認知症の診断を受けた」
そんな状況の中で、不動産をどう管理・承継するか悩む方が急増しています。
特に注目されているのが、家族信託(民事信託)という仕組みです。
この記事では、両親が認知症になった場合に信託を利用するメリット・デメリットを、 不動産の実務目線で分かりやすく解説します。
① 認知症になると不動産はどうなる?
認知症と診断され、判断能力がないとみなされると、 たとえ家族であっても次のことができなくなります。
- 不動産の売却
- 賃貸借契約の締結・更新
- 大規模修繕や建替え
- 担保設定や借入
つまり、不動産が“凍結状態”になるのです。
これを回避する代表的な方法が、
成年後見制度と家族信託です。
② 家族信託とはどんな仕組み?
家族信託とは、財産の管理・処分を信頼できる家族に託す制度です。
例えば、
- 委託者:両親
- 受託者:子ども
- 受益者:両親(生活費として収益を受け取る)
という形を取ることで、
親が認知症になっても子どもが不動産を動かせるようになります。
③ 信託にするメリット
● 不動産の売却・活用が止まらない
最大のメリットは、認知症後も不動産を売却・賃貸できる点です。
空き家になった実家を、
- 売却して介護費用に充てる
- 賃貸に出して収益化する
といった柔軟な対応が可能になります。
● 成年後見制度より自由度が高い
成年後見制度では、
- 家庭裁判所の監督が必要
- 原則「本人の利益最優先」
となり、売却が認められにくいケースもあります。
家族信託なら、事前に決めた内容通りに運用できるのが強みです。
● 相続対策も同時にできる
信託契約の中で、
- 最終的に誰に不動産を承継させるか
を定めることができ、遺言代わりとしても機能します。
④ 信託にするデメリット・注意点
● 初期費用がかかる
家族信託は、
- 専門家への報酬
- 信託登記費用
などで、数十万円〜100万円前後かかることもあります。
● 設計を間違えるとトラブルの元
内容をよく理解せずに進めると、
- 兄弟間トラブル
- 税務上の問題
に発展することも。
「とりあえず信託」は危険です。
● すべての財産に向いているわけではない
現金管理や年金受取など、
信託に向かないケースもあります。
⑤ 信託が向いている人・向いていない人
向いているケース
- 不動産が主な資産
- 将来売却や活用の予定がある
- 子どもとの信頼関係がある
慎重に考えるべきケース
- 家族関係が複雑
- 資産が少額
- 目的が曖昧
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両親が認知症になってからでは、
選択肢は一気に狭まります。
家族信託は万能ではありませんが、
不動産を守り、動かすための有効な手段です。
まずは、「何が問題になりそうか」を整理するところから始めましょう。

