居住中の状態で不動産を売却。メリットとデメリット。
居住中の状態で不動産を売却することは、資金計画の面で大きなメリットがありますが、実は売主にとって見過ごせないデメリットも多く存在します。特に、内見対応や心理的な負担が課題となります。
メリット
まずは、居住中の売却がもたらす主なメリットを再確認しましょう。
- 資金的なメリット: 売却代金を新居の頭金や引越し費用に充てられるため、資金計画を立てやすくなります。空き家での売却では、新居の費用と二重でローンを組むリスクがあります。
- 手間と費用を削減: 仮住まいを探す必要がなく、引越しも一度で済むため、手間や費用を大幅に省けます。
- 物件の魅力が伝わる: 実際に人が住んでいることで、生活のイメージを持ってもらいやすく、日当たりや部屋の使い勝手など、住んでみないと分からない魅力を直接伝えられます。
デメリット
一方、居住中の売却には、以下のような多くのデメリットが伴います。
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1. 内見の準備と対応が負担になる
買主の内見希望があれば、急な対応を求められることがあります。常に家をきれいに保つ必要があり、家事や育児、仕事との両立は大きなストレスとなります。特に、小さなお子様がいる家庭では、急な片付けは非常に困難です。
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2. 生活感がマイナスな印象を与える
生活感があることは、場合によっては買主にとってマイナス要因になります。雑然とした部屋、古い家具、生活臭などは、物件自体の価値を低く見せてしまう可能性があります。空き家であれば、プロによるホームステージングで物件の魅力を最大限に引き出せますが、居住中ではそれが難しくなります。
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3. 契約不適合責任のリスク
売却後に、買主が気づかなかった雨漏りや設備の不具合が発覚した場合、売主が責任を負うことがあります。居住中の場合、売主自身が気付いていない不具合がある可能性があり、買主とのトラブルに発展するリスクが高まります。
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4. プライバシーの問題
見知らぬ人が自宅の中に入ってくることに、抵抗感や不安を覚える人は少なくありません。他人に隅々まで見られるという行為は、精神的な負担となり、売却活動自体を嫌に感じてしまうこともあります。
まとめ
居住中の不動産売却は、確かに資金面や手間を省くことができますが、それは売主自身の負担と引き換えであるという側面も持ちます。
内見の対応、生活感の管理、そして契約後のリスクなど、デメリットを十分に理解した上で、この方法があなたにとって最適かどうかを慎重に判断することが重要です。

