不動産における、接道の重要性。
不動産の世界で、「接道」は建物の価値を大きく左右する、非常に重要な要素です。日本における土地と道路の関係は法律によって厳格に定められており、このルールを理解することが、不動産の購入や売却において不可欠です。
「接道」が重要な理由とは?
なぜ不動産において接道がそこまで重要なのでしょうか。その理由は、日本の建築基準法にあります。
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1. 建築基準法上の「接道義務」
日本の建築基準法では、家を建てる土地は「幅員4メートル以上の道路に2メートル以上接していなければならない」というルールがあります。これが「接道義務」です。これは、火災や災害時の避難経路を確保するために定められています。
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2. セットバックが必要になる可能性
もし、あなたの土地が接している道路の幅が4メートル未満の場合、自分の敷地を後退させる「セットバック」が必要です。セットバックした部分は道路と見なされるため、実際に使える土地の面積が減ってしまうことになります。
接道が不動産価値に与える影響
接道は、建物の建築可否だけでなく、不動産の価値そのものに直接影響を与えます。
- 再建築不可物件: 接道義務を満たしていない物件は、「再建築不可物件」と見なされ、売却価格が大幅に下がります。
- 工事費用の増加: 道路が狭いと、大型の重機やトラックが入れない場合があります。これにより、建築資材の運搬が手作業になるなど、建築コストが割高になります。
- 車の通行や日当たり: 道路が狭いと、車のすれ違いが困難になったり、向かいの家との距離が近くなり、日当たりや風通しが悪くなったりする可能性があります。
まとめ
不動産を選ぶ際、多くの人は「駅からの距離」や「築年数」に注目しがちですが、「接道」はそれ以上に重要なポイントです。特に土地を購入して家を建てたいと考えている場合、接道の状況を正確に把握しておく必要があります。
道路の幅員や、公道か私道か、セットバックの有無など、ご自身が購入を検討している物件の接道状況を、不動産会社にしっかりと確認することをお勧めします。

